5th Anniversery

幾年も廻る季節に風吹きて春色染まる日の本の国 (作:桜羽 妖子)


  [序]

  桜よ桜、(くう)に舞う

  舞いて我が(みち)靄かける

  暗路を染めし花吹雪

  (とう)れよ総始(そうし)の膝元へ



  (つるぎ)よ剣、風を斬れ

  斬りて我が未知切り開け

  (あした)を告げる陽が如く

  (くろがね)触れるその先を



  絆よ絆、(つな)がれて

  系がれし身血(みち)世を紡ぐ

  世に生受けし(まこと)の意

  誰もが望み問う故に



  (えにし)よ縁、絶えなかれ

  絶えず新たな(みち)繋げ

  止まぬ時の果てまでも

  平和が永久に続くやう





  [壱]

  桜よ桜、地に根付き

  優美に御樹(みき)は天仰ぐ

  されどその枝時として

  花咲く責にうなだれる



  硬き蕾は巡り行き

  彼の地で光身に浴びて

  時に明るき灯となりて

  ほころびの時迎へけり



  幼き花はげに(うま)

  持ち()る力解き放ち

  終焉を告げあけ迎ふ

  在るべき姿あれかしと



  さらば桜よ咲き誇れ

  移ろう空に芽は育ち

  新たな蕾膨らみて

  霞桜よ白く咲け





  [弐]

  桜よ桜、()を伸ばし

  花咲く日々を待ち望む


  長き時経て機会(とき)は満ち

  たけき乙女は剣を取る



  己が使命の意義を知り

  身を置く幹の絆知り

  (まこと)の強さ知りし花

  揺れ嘆かすは友が(ごう)



  譲れぬ想い相交わし

  たおれし()の身旅立ちぬ

  新たな道を臨むため

  歪みし根元贖ふと



  されば桜よ咲き誇れ

  未来繋ぐと知るならば

  白波が如く千万(ちよろず)





  [参]

  桜よ桜、咲き誇り

  白狼黒虎の名は馳せる

  其の馨しき(こう)を聞き

  目を開くるは蒼の龍



  蛇なる一族牙を磨ぎ

  古き栄華を求むる地

  乙女再び剣を取り

  擦れる想ひに(のり)(さと)



  (たが)う種持つ木々なれば

  共に陽臨むこと(かた)

  想ふ心を持つが故

  己が為にぞ花咲くと



  されど桜よ咲き誇れ

  たとえ交じらぬ幹なれど

  枝を離れし花なれば

  触れ合う事もあるだろう







  桜よ桜、咲き誇る

  咲いて都を染め上げる

  哀しき(あか)に注ぐやう

  (まな)しき(べに)を降り舞いて


- 作者様より -
 Physical Room C.S.K.様、五周年おめでとうございます
 こちらのゲームと出会ってもう5年とは、自分でも驚きです
 今回、白狼シリーズのイメージで定型詩に挑戦させて頂きました  本筋の流れと主人公中心に書いたので、殊に恋歌・恋歌2に関しましては、恋愛要 素がほぼ見えなくて申し訳無いです
 雰囲気も合ってるのか、とか不安もございますが、お目通し下さりありがとうご ざいました
 文語体、どこか間違っていたらこっそり教えて下さいませ(汗)


○周年記念企画

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